今日は日経ビジネスオンラインの記事から。
カリフォルニア州はスマートメーターの普及が進んでいるようです。
ところで「蓄電」という言葉を聞いて、ついついリチウムイオン電池の様な蓄電池を想像してしまったのですが、充電と放電のタイミングをシフトしたいのであれば他の方法も使えるわけで、例えば揚水発電もそうですよね。
Wikipedia曰く「揚水発電(ようすいはつでん、Pumped-storage hydroelectricity)は、夜間などの電力需要の少ない時間帯の余剰電力を使用して、下部貯水池(下池)から上部貯水池(上池ダム)へ水を汲み上げておき、電力需要が大きくなる時間帯に上池ダムから下池へ水を導き落とすことで発電する水力発電方式である。すなわち実質的には、発電だけを目的とする発電所というよりも、電力需要・供給の平準化を狙う蓄電を目的した、ダムを用いる巨大な蓄電池、あるいは蓄電所と言うべきものである。また、発電する電気量に対し、水を汲み上げるために消費される電気量がおよそ30%割増となるため、その点効率の悪い発電様式とも言える。」とのこと。
要は、余剰電力を使って水の位置エネルギーを増加させ(=下のダムから上のダムにポンプで水を吸い上げる)、電力需要の高まりを待ってそのエネルギーを電気エネルギーに戻す(=上のダムの水を落として発電する)、という電力の需給タイムシフトを行うシステムです。
このタイムシフト用の蓄電方法が簡易かつ効率的であると理想なのですが、他にどんな方法が採れるでしょうか。つまり、電気エネルギーを使って何か他のエネルギーを生み出し、それを(出来れば劣化せず)需要時点まで保存し、需要時点で(出来れば損失を最小に抑えて)電気エネルギーに戻す事が出来る方法があるか、という質問です。
電気エネルギーを他のエネルギーに変換しようとすると、変換先のエネルギーには幾つか候補があると思います:
- 磁気エネルギー・・・磁場を発生させる
- 熱エネルギー・・・何かを温める
- 位置エネルギー・・・(揚水発電の様に)何かを重力に逆らって持ち上げる
- 運動エネルギー・・・何かを加速させる
- 化学変化・・・(エネルギーでは無いですが)別の分子やイオンに変化させる
勿論、どれもエネルギー変換の効率(もしくは変換による損失)の問題と、タイムシフト中のエネルギーの減衰の問題を考慮しないといけないですね。
さて、エネルギー変換効率についてもWikipedia先生に聞いてみると、載ってます。ああ、なんと便利なんだ。
エネルギー変換効率の一覧
これを見ると、蓄電は結構ハードルの高い話だということが分かります。揚水発電の損失が30%位だそうですが、仮に電気エネルギーを使って水を電気分解し、発生した酸素と水素を気体として保存し、後で燃焼によって電気を発生させるとすると、既に電気分解で30%程度の損失が発生する為、タイムシフトして電気に戻した場合の損失も考えると明らかに揚水発電の方が効率が良さそうです。
変換効率の良いエネルギー変換や、減衰の小さいタイムシフト方法について、引き続き調べてみたいと思います。
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